保育士の年度途中の退職は許されない!?円満退職をする方法とは

この記事を読んでくださっているあなたは、何らかの理由で

働くことが辛い、辞めたい。だけど、年度途中に辞めるのは迷惑がかかるよな。

と葛藤しているのではないでしょうか?

結論からお伝えすると、年度途中でも辞めていいです。

その理由は、仕事を理由に心の不調(うつ病や適応障害)に陥り、数年経った今でも薬が手放せない生活をしている同僚、知人、家族が私の周りにいるからです。

当の本人ではないですが、近くにいる私自身が、支えながら、何もできない状況に相当参ってしまった時期がありましたし、本人はもっと辛い状況にいます。

これを読んでいるあなたにも、あなたの大切な人にも同じ思いをしてほしくないんです。

この記事では

・保育士を辞めたくなる5つの理由
保育士を辞めたくなった時に、その園を辞めるか否かの判断基準
・保育士を年度途中で辞めることについて

まとめています。

勢いに任せて年度途中で退職するのではなく、自分の中でしっかり心の整理をしてから決断することで、その後の人生も前向きに進めるようになりますよ。

まずは、この記事を読んでいただき、今辞めて”本当に後悔しないか”を考える判断材料にしていただければと思います。

目次

保育士を辞めたくなる5つの理由

保育士を辞めたくなる理由やタイミングは人によって違うと思います。

私自身、「保育士を辞めたい」と思ったことは何十回とあります。
それでも10年以上続けてこられた理由や心の変化など、体験談も交えながらお伝えしていきますね。

①責任の重さに押しつぶされそう

保育士は一人の人間の命を預かる仕事です。

どんなに注意深く見守っていたとしても、怪我や事故が起こってしまうのは事実。

保護者に謝罪をする度に、申し訳ない気持ちで胸が締め付けられ、自分の至らなさに自己嫌悪になってしまうこともありました。
そんな時に、事故のニュースを見たりすると、「もしあの時、転び方が悪かったら..」などと嫌な想像が膨らんでしまい、恐怖に支配されてしまいそうになることも。
保育士1年目の頃には、子どもが転んで怪我をして、めちゃくちゃ落ち込んでいる時に、先輩に「なんで怪我させたの?」と問い詰めらた経験があり、かなりきつかったです。

もちろん、怪我・事故がないように事前にできる対策をすること、反省することは大切ですが、必要以上に追い込まれて、「怪我をしないように!」と精神を尖らせ、子どもたちにのびのびと遊ばせることさえも怖くなってきたら、いよいよ心が持たなくなっていきます。

私は、園長先生や先輩が変わったタイミングで、心の持ちようが変わりました。
怪我をさせたことに対して頭ごなしに怒りをぶつけられることがなくなり、次に活かす反省として全体で共有したり、園全体でフォローし合う前向きな環境が整っていたことが大きかったです。

②理想と現実のギャップに耐えられない

正直、1〜3年目くらいまで、保育を”心から楽しい”と思ったことはありません。

小さい頃から思い描いていた、「いつもニコニコしていて優しい先生」「楽しいお仕事」というイメージとはかけ離れた自分の現実に悲しくなっていました。

子どもたちとの信頼関係ができていなくて、クラスが落ち着かない
自分の余裕のなさから、子どもを叱ってばかりいるし、書類や保育の準備に追われて忙しすぎる

「こんなはずじゃなかった…」と思いながら働いていました。

しかし、この気持ちは、経験を積むにつれて徐々になくなっていきました。

”保育”という仕事に慣れ、仕事の要領、ペースが掴めてきたことが大きかったと思います。
それからは「これをしたら子どもたちはどんな表情するだろう?」「これは上手くいかなかったから違うやり方を試してみよう!」など、前向きに保育を楽しむ時間が増えていきましたよ。

理想と現実のギャップに関しては、経験でカバーできる部分もあります!

③保育方針に疑問を感じる

私は、行事の練習がすごくストレスになっていた時期があります。

保護者に見せることが目的になっているような練習の日々で、「踊りの動きは徹底的に揃える」「できなかったら何度もやり直し」「衣装はより華やかに」など、何のための行事なのか全く意味を感じられなかったことが原因です。

私は、こんな保育をするために保育士になったんじゃない…

という思いが強くなればなるほど、辞めたい気持ちも大きくなっていきました。

”本当に子どもたちのためになっているのか”声をあげられるなら、意見として伝えましょう。
私の場合、時代の変化と共に、徐々に柔らかくなった印象ですが、保育の方針はそこにいる限りなかなか変わるものではないので、違う園を見てみることをおすすめします。

④サービス残業や持ち帰り仕事の多さ、給与の低さなどから将来への不安を感じる

残業が多く、土日も仕事。プライベートの時間がほとんどなくてしんどい。
給料が低すぎて、生活していくのがやっと。
仕事漬けの毎日で、我が子よりも仕事優先な自分が嫌。

こんな状況では、何のために働いているのか分からなくなるのも当然で、「辞めたい」と思うのも無理はありません。

組織の体制の話となると、自分の思いや行動だけでどうにかできるものではないので、他の園の情報収集をして自園と比較してみてください。
「保育士は忙しくて当たり前」という固定概念は捨てましょう。
働きやすい環境はあります。

【ブラック保育園チェックリスト】はこちら

⑤人間関係が悪くストレスが大きい

・挨拶を返してくれない同僚がいる
・無視されている
・自分だけ園長先生からの当たりが強い

・陰口を言われている
・職員間の派閥がある

などにより、精神的に参ってきているならその場から逃げるのが正解!

どこでもある程度人間関係のもつれはあるけれど、自分だけ攻撃されているような状況、体や心に不調をきたすような環境で頑張る必要はありません。

保育士を辞めたくなった時にその園を辞めるか否かの判断基準

「本当に今辞めて後悔しないか?」「逆に辞めないと後悔するのではないか?」私なりの判断基準をお伝えします。

①人生という広い視野で考えてみて、今の職場で問題ないか

・保育士になりたかったあの頃の自分が描いていた夢が今の職場で叶いそうか?
・これからの人生をどんな風に過ごしていきたいか?

例えば、保育士1、2年目でまだ慣れないことが多かったり、リーダー業務や行事の司会がストレスになっているということなら、経験を積むことで解消することが多いです。

しかし、今の職場では「保育観が違いすぎて、自分の目指す保育は実現できない」「保育士として成長することは困難だ」という場合は、それらを実現できるような環境に転職したほうが時間を無駄にせずに済みます。

また、”仕事”は人生を豊かにするための手段の1つでしかありません。

「我が子との時間を大切にしたい」
「○歳までに○円貯金をして両親を海外旅行に連れていきたい」

など、理想のライフプランを具体的に考え、自分の現状と照らし合わせてみると、今やるべきことが自ずと見えてきます。

②やりたくない、苦手な仕事があるという理由ではないか

自分にとって完璧な職場を目指しすぎていませんか?

私はどの職場でも理想を全部を叶えられたことはありません。

今ある不満は、どう考えても妥協できないこと?今、得られているものと天秤にかけてみるといいかも。
もし環境を変えるなら、何を捨てて、何を得られるのかを具体的にイメージしてみてね。

どんな仕事にもやりたいことのために、頑張らなきゃいけないことや踏ん張り時はあります。
深く考えずに「きついから辞める。」では、後悔するかもしれません。

③心身に異常をきたしていないか?

人間関係やパワハラなどからストレスを感じていたり、サービス残業や持ち帰り仕事の多さ、休みが少ない、など過酷な労働環境により、心身に悪影響を及ぼしてはいませんか?

・夜、眠れない
・朝、起き上がれない
・ふとした時に勝手に涙が出てくる
・吐き気がする、だるい
・好きだった趣味が楽しめなくなった、何にもやる気が起きない

上記のようなことを感じている場合は、休職するなど、少し仕事から距離を置き、体調の回復を優先させた方がいいでしょう。

辞めるかどうか、自分では判断できない時

責任感が強い人、周りを優先させる優しい人ほど、現状が辛いけど、

「こうなってしまったのにはきっと自分に原因がある」
「こんなことで辞めてしまうのは甘えではないか」

と自分を責めて、無理をし続けるケースがあります。

自分一人では判断できない場合、客観的な意見を聞いてみてください。

他の園に勤めている友人、通っていた大学の先生、全く違う職種の人など、同じ園の先生ではない、いつも関わらない人と話すことがポイント!自分にはない選択肢が見えてくることがありますよ!

自分の園の環境が当たり前なのか、ブラックなのかどうかも分からないという方は
▶︎こちらの記事を参考にされてください。

他の園の情報を見て、勤め先の園と比較するのも1つの手です。
▶︎情報収集はこちらから。

保育士を年度途中で辞めることについて

本音を言えば、今すぐにでも辞めたい。だけど先生たちに迷惑をかけるから辞められない。

クラスのこと、保護者のこと、子どもたちのことを考えると、保育士という職業は年度途中での退職が難しいことは、保育士さんなら重々承知のことだと思います。

年度末まで続けられるなら、もちろん続けた方が良いですが、1番大切なのはあなた自身の健康であることは間違いありません。

ギリギリの状態で働いて、精神疾患になっている人たちを見てきたからこそ、声を大にして言いたいです。

『保育士の代わりはいても、あなた自身の代わりはいません。』

年度途中で辞めたことを、数年後に覚えている人なんてほとんどいないし、無理して働き続けた結果が辛いものになったとしても、誰も責任は取ってくれません。

気力があればできる配慮として、ゆとりを持って引き継ぎや新しい保育士を採用できるよう、3ヶ月前くらいには退職の意思を伝えるいいですよ!
※法律上は14日前に退職を申し出れば問題ありません。

優しい先生だからこそ、周りの人への迷惑を考えて、自分のことを後回しにしてしまいがちですが、もっと自分を大切にしていいんです。

現場は何とでもなります。

笑顔で働ける場所を見つましょう!

▶︎転職経験のある先輩たちの声は「【保育士辞めたリアル】保育士を退職・転職した体験談」にまとめていますので、参考にされてください。

▶︎おすすめの転職エージェントは、「圧倒的な提案力!おすすめ保育士転職エージェント3選」の記事にまとめています。

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